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 | 
 
 | 
 | 
後藤 修
 
 
32
 | 
名前 | 
ごとう おさむ | 
 
| 生年月日 | 
1934年4月1日 | 
 
| 経歴 | 
磐田南高校−松竹−洋松−東映−大英−巨人−近鉄−南海−西鉄 | 
 
| 入団年 | 
54年に松竹との合併に伴い入団 | 
 
| 在籍年 | 
54年 | 
 
| 背番号 | 
54年[32] | 
 
| 投打 | 
左投げ左打ち | 
 
| 守備 | 
投手 | 
 
 
 | 
 
 
 | 
 
:松竹>大洋松竹: 
52年に磐田南高校から松竹に入団。球団合併で大洋松竹に移籍するが一軍に出場出来ないまま解雇された。 
 
:トンボユニオンズ: 
55年に後藤はトンボユニオンズの入団テストを受けた。飯塚球団代表らが見守る中、後藤はキャッチボールのボールをわざと後ろにそらすと、ボールを拾いに行って、90メートル離れたところからノーバウンドで返球して見せた。後藤はこれで合格が内定していたが、テスト二日目に事件が起こる。宿舎からテスト生たちが出ようとすると飯塚球団代表が「帝国陸軍の軍人は行進のとき、一歩の間隔は75センチと決まっていた!お前らも二列連隊、75センチ間隔で球場まで歩く!」と演説し、これに怒った後藤は入団を断った。 
 
:東映: 
55年2月今度は東映のテストに現れた後藤はほんの数球肩慣らしをすると、後藤はホームベース上に立ってライトスタンドに向かって遠投を始めた。1球目はフェンスに直撃、2球目はフェンスを超えた。そして保井監督に「つまり人間の肩というのは、これだけ柔軟性というか、即応性というものがあるんですよ、だから特訓なんて意味ないんです」とテスト生でありながら日本球界の伝統を否定した。 
 
:東映2: 
続いて行なわれた打撃テストでは後藤は場外に145メートル弾を放って見せた。その晩に後藤は監督室に呼ばれ「もちろんテストは合格だ。ただし君には打者転向という条件で契約したい」と言われた。だが後藤は「私には生涯を通じて二つの趣味があります、遠征で列車移動のときに聖書を読むこと、合宿でクラシックを聴くことです。打者に転向すると眼が大事になるので聖書は読めなくなる、それから日本の公認球場はほとんど春から夏いっぱいまで右翼から、本塁に向かって風が吹く、つまり左の私が打者転向しても有利な材料はない」と言って打者転向を断った。 
 
:巨人: 
57年、大英がトンボと合併したため後藤は巨人に移籍した。そしてある日後藤は1イニングでKOされた。するとその晩後藤の部屋にコーチが入ってきて「なぜ立ち上がりの一回でKOされたのか、納得のいく説明をしてくれ」と無茶な質問をしてきた。すると後藤は両手を振りながら「ダダダ、ダーン」とベートベンの運命を歌いだした。 
 
:近鉄: 
59年、巨人から近鉄に移籍した後藤は3勝2敗を上げ、打っても三塁打を含む5本のヒットを放った。 
 
:南海: 
61年2月に南海のテストに合格したが、南海が2月、3月と給料を払わない。後藤が球団幹部に問い詰めると、幹部は「入団手続きをやったのが4月上旬だから4月から給料を払う、それから君との間にはまだ何の入団書類もない。これに住所、姓名、ハンコをくれないか」と便箋用紙を差し出した。後藤は「プロ野球選手の給料は2月から11月までの10ケ月間と野球協定に明記されています。2月にテストを受け、すぐ採用通知をもらっていれば、2月分から給料をもらうのは当たり前でしょう。第一プロ野球選手は統一契約書に署名、捺印するもので白紙の便箋用紙に書けというのは協約違反もいいところだ」とやりかえした。結局この争いは夏まで続き、最後にはシブチン商法とも言われた南海が2月にさかのぼって給料を支払っている。 
 
:西鉄: 
63年、西鉄に合格した後藤だったが西鉄も一年でクビになった。次は阪急だと阪急のテストを受けに行ったが二軍捕手相手に50球ほど投げ込んだところで、西本監督が歩いてきた「後藤君、本当に残念なのだがストレートが捕手の前でみんなお辞儀をしてしまう」と不合格を告げた。すると後藤は捕手に深々と頭を下げてからこういった、「西本さん、今のプロ野球で沈むボールを投げるのは右投手ばかりですよ。だから左でも沈むストレートを投げてみようと、いま実験したら成功しましたね」、このセリフをのこして後藤はプロ野球界から去った。 
 
:日本記録: 
52年の松竹から63年の西鉄にいたるまで、12年で8球団を渡り歩いたことから「ジプシーの修」と呼ばれる。8球団在籍はもちろん日本記録。8球団を渡り歩いた後藤だが、クビになってから他球団の入団テストを受け、ことごとくテストに合格し続けた。しかも給料は退団まえより全てアップしたと言う。 
 
:ジプシーの修: 
引退後は「ユニホームを着ているとき侍で鳴らした男が、プロ野球を去ったとたん、取り澄ました顔でサラリーマンになる。そういうのが嫌いなんですよ。ギリシャ神話にラドンという怪獣が出てくる。ヘラクレスに切られてもなお尻尾だけがピクピク3年間も動いている。私も「ジプシーの修」といわれた男だから、ジプシーの生き様みたいなものを世間にさらしてみたいと思いましてね」とサラリーマンになることを拒否して、磐田市で土建業に就職した。 
 
:子供: 
                  63年のクリスマスに長男が生まれた時には「こいつはひょっとしてキリストの生まれ変わりかも知れない」と光(こう)と名づけ、73年4月に渡米してゴルフの神様ジャック・ニクラウスと一緒にプレーし、帰国した直後の5月6日に次男が生まれると若(じゃく)と命名した。 
 
:運送会社: 
あるとき自動車を運転していたら田んぼに突っ込んだ。すると先輩が「おい後藤、ここで自動車を田んぼに落とすくらいなら、お前東京に行ったら1メートルも進めないぞ」と言った。後藤は本当に進めないのか確かめてみようと土建屋を辞めて、東京の運送会社に就職した。 
 
:挑戦状: 
「歯医者に行ったら「健康保険の患者は客じゃない」と言われて、それ以来、あらゆる医者に挑戦状を突きつけたんです。だから死ぬまで医者には行かないですよ。もちろん薬も飲まない。風邪でも腹痛でもそのままですよ。私はまだ盲腸を切っていないから、そこらあたりが勝負どころでしょうね。 
 
:野球評論家>レッスンプロ: 
その後野球評論家をしていた後藤の元に週刊ゴルフダイジェストから、ゴルフ経験の無い後藤に「ジプシーのゴルフ武者修行」という企画が持ち込まれた。後藤がゴルフグラブを買うところから、すべてを取材する企画だった。これをきっかけにゴルフにはまった後藤は当時唯一のプロゴルファーを教えるプロコーチになり、スランプ中だった中島
常幸をコーチして賞金王を獲得させ、ジャンボ尾崎を11年ぶりの賞金王に輝かせたりと一流のレッスンプロとして確固たる地位を築くまでになった。 | 
 
 
 | 
 
 
 
 
 
 
  投球成績 
 | 
チーム | 
登板 | 
完投 | 
完封 | 
勝利 | 
敗戦 | 
S | 
回数 | 
安打 | 
本塁 | 
四球 | 
死球 | 
三振 | 
暴投 | 
ボーク | 
失点 | 
自責 | 
防御率 | 
 
 | 
 
| 55 | 
東映 | 
5 | 
0 | 
0 | 
0 | 
0 | 
- | 
15.1 | 
17 | 
1 | 
10 | 
1 | 
9 | 
0 | 
0 | 
12 | 
9 | 
5.06 | 
 
| 56 | 
大英 | 
33 | 
3 | 
0 | 
6 | 
12 | 
- | 
112.2 | 
105 | 
11 | 
37 | 
3 | 
65 | 
3 | 
1 | 
56 | 
43 | 
3.42 | 
 
| 57 | 
巨人 | 
26 | 
1 | 
0 | 
2 | 
3 | 
- | 
80.1 | 
67 | 
12 | 
27 | 
2 | 
61 | 
0 | 
1 | 
29 | 
27 | 
3.00 | 
 
| 58 | 
巨人 | 
1 | 
0 | 
0 | 
0 | 
1 | 
- | 
2.1 | 
3 | 
1 | 
3 | 
0 | 
1 | 
0 | 
0 | 
3 | 
2 | 
6.00 | 
 
| 59 | 
近鉄 | 
25 | 
0 | 
0 | 
3 | 
2 | 
- | 
65.1 | 
64 | 
5 | 
29 | 
0 | 
43 | 
1 | 
0 | 
30 | 
29 | 
3.95 | 
 
| 60 | 
近鉄 | 
23 | 
1 | 
0 | 
1 | 
4 | 
- | 
62.0 | 
74 | 
10 | 
25 | 
1 | 
47 | 
0 | 
0 | 
36 | 
34 | 
4.94 | 
 
| 61 | 
南海 | 
36 | 
1 | 
0 | 
5 | 
6 | 
- | 
93.0 | 
85 | 
11 | 
34 | 
2 | 
88 | 
3 | 
0 | 
36 | 
35 | 
3.39 | 
 
| 62 | 
南海 | 
7 | 
0 | 
0 | 
1 | 
2 | 
- | 
8.2 | 
12 | 
0 | 
4 | 
1 | 
4 | 
1 | 
0 | 
7 | 
7 | 
7.00 | 
 
| 63 | 
西鉄 | 
13 | 
0 | 
0 | 
0 | 
1 | 
- | 
15.2 | 
10 | 
1 | 
9 | 
3 | 
14 | 
2 | 
0 | 
8 | 
7 | 
3.94 | 
 
 | 
 
| 通算 | 
9年 | 
169 | 
6 | 
0 | 
18 | 
31 | 
- | 
455.1 | 
437 | 
52 | 
178 | 
13 | 
332 | 
10 | 
2 | 
217 | 
193 | 
3.81 | 
 
 
 | 
 
 
 | 
 
 
 
 
  打撃成績 
 | 
チーム | 
試合 | 
打数 | 
得点 | 
安打 | 
二塁 | 
三塁 | 
本塁 | 
塁打 | 
打点 | 
盗塁 | 
盗刺 | 
犠打 | 
犠飛 | 
四球 | 
死球 | 
三振 | 
併殺 | 
失策 | 
打率 | 
 
 | 
 
| 55 | 
東映 | 
8 | 
9 | 
0 | 
3 | 
0 | 
0 | 
0 | 
3 | 
0 | 
0 | 
0 | 
0 | 
0 | 
0 | 
0 | 
2 | 
0 | 
0 | 
.333 | 
 
| 56 | 
大英 | 
42 | 
48 | 
1 | 
7 | 
1 | 
1 | 
0 | 
10 | 
0 | 
0 | 
0 | 
2 | 
0 | 
3 | 
0 | 
11 | 
0 | 
1 | 
.146 | 
 
| 57 | 
巨人 | 
26 | 
19 | 
0 | 
3 | 
0 | 
1 | 
0 | 
5 | 
1 | 
0 | 
0 | 
4 | 
0 | 
0 | 
0 | 
7 | 
0 | 
1 | 
.158 | 
 
| 58 | 
巨人 | 
1 | 
1 | 
0 | 
0 | 
0 | 
0 | 
0 | 
0 | 
0 | 
0 | 
0 | 
0 | 
0 | 
0 | 
0 | 
0 | 
0 | 
0 | 
.000 | 
 
| 59 | 
近鉄 | 
28 | 
22 | 
3 | 
5 | 
0 | 
1 | 
0 | 
7 | 
3 | 
0 | 
0 | 
0 | 
0 | 
1 | 
0 | 
8 | 
1 | 
0 | 
.227 | 
 
| 60 | 
近鉄 | 
23 | 
17 | 
1 | 
1 | 
1 | 
0 | 
0 | 
1 | 
0 | 
0 | 
0 | 
1 | 
0 | 
2 | 
0 | 
12 | 
0 | 
0 | 
.059 | 
 
| 61 | 
南海 | 
40 | 
27 | 
0 | 
7 | 
0 | 
0 | 
0 | 
8 | 
2 | 
0 | 
0 | 
0 | 
0 | 
0 | 
0 | 
6 | 
1 | 
0 | 
.259 | 
 
| 62 | 
南海 | 
7 | 
1 | 
0 | 
0 | 
0 | 
0 | 
0 | 
0 | 
0 | 
0 | 
0 | 
0 | 
0 | 
0 | 
0 | 
0 | 
0 | 
0 | 
.000 | 
 
| 63 | 
西鉄 | 
14 | 
1 | 
0 | 
0 | 
0 | 
0 | 
0 | 
0 | 
0 | 
0 | 
0 | 
0 | 
0 | 
0 | 
0 | 
0 | 
0 | 
0 | 
.000 | 
 
 | 
 
| 通算 | 
9年 | 
189 | 
145 | 
5 | 
26 | 
2 | 
3 | 
0 | 
34 | 
6 | 
0 | 
0 | 
7 | 
0 | 
6 | 
0 | 
46 | 
2 | 
2 | 
.179 | 
 
 
 | 
 
 
 | 
 
 
 
 
  日本シリーズ投球成績 
 | 
チーム | 
登板 | 
完投 | 
完封 | 
勝利 | 
敗戦 | 
S | 
回数 | 
安打 | 
本塁 | 
四球 | 
死球 | 
三振 | 
暴投 | 
ボーク | 
失点 | 
自責 | 
防御率 | 
 
 | 
 
| 61 | 
南海 | 
1 | 
0 | 
0 | 
0 | 
0 | 
0 | 
2.0 | 
3 | 
0 | 
1 | 
0 | 
1 | 
0 | 
0 | 
2 | 
1 | 
4.50 | 
 
 
 | 
 
 
 | 
 
 
 
 
  日本シリーズ打撃成績 
 | 
チーム | 
試合 | 
打数 | 
得点 | 
安打 | 
二塁 | 
三塁 | 
本塁 | 
塁打 | 
打点 | 
盗塁 | 
盗刺 | 
犠打 | 
犠飛 | 
四球 | 
死球 | 
三振 | 
併殺 | 
失策 | 
打率 | 
 
 | 
 
| 61 | 
南海 | 
1 | 
0 | 
0 | 
0 | 
0 | 
0 | 
0 | 
0 | 
0 | 
0 | 
0 | 
0 | 
0 | 
0 | 
0 | 
0 | 
0 | 
0 | 
.000 | 
 
 
 | 
 
 
 | 
 
 
 
 
 | 
 | 
 | 
 
 
 
 
 | 
 |