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新浦 壽夫



28
名前 にうら ひさお(旧登録名:新浦 寿夫: 新浦 壽丈)
生年月日 1951年5月11日
経歴 静岡商−巨人(ドラフト外)−韓国三星−大洋−ダイエー−ヤクルト
入団年 87年に韓国三星ライオンズから移籍
在籍年 87年−91年
背番号 87年−91年[28]
投打 左投げ左打ち
守備 投手
:甲子園で圧巻のピッチング:
在日の韓国人として生を受ける。韓国名は金日融(キム・イリュン)。中学から野球を始めて静岡商では1年生エースとして夏の甲子園に出場、3完封に1失点完投2試合という圧倒的な成績でチームを準優勝に導いた。9月に高校を中退して巨人に入団。韓国籍という事もあってドラフトにかからずドラフト外での入団となった。17歳という年齢と左肩に小さなひびが入っていたこともあって入団から1年間は野球をせず体力作りから始めた。新浦は広島の住田整骨医に通うかたわらで酒屋で配達のアルバイトをしながら体を作っていった。

:10代で勝利投手:
70年には肩も癒えて投球練習を開始、ベロビーチキャンプではドジャースの投手コーチを務めていたトミー・ラソーダにカーブを教えてもらった。一軍デビューを飾った71年には4月29日の阪神戦で19歳にして初勝利を記録する等、19試合に登板して4勝3敗、防御率2.02という好成績を残したが腰や背中をたびたび痛めて一軍定着はならなかった。

:開幕から7連敗:
74年には規定投球回には達しなかったものの7勝6敗で防御率2.63と結果を残した。だが翌75年には開幕から負け続けて巨人ファンからブーイングを浴びるまでになった。それでも同年に就任した長嶋監督に新浦を投げさせ続けた。ついに8月12日の阪神戦で破れ0勝7敗となると新浦は「監督もう投げられません」と涙を流しながら訴えた。

:1安打完封:
二軍に降格した新浦は解説者の杉下 茂にアドバイスを求めて軸足にタメを作るフォーム改良した。これで球威を増した新浦は一軍に復帰し、8月31日のヤクルト戦で12奪三振を奪って1安打完封を達成。同年は2勝11敗に終わったが防御率は3.33と悪くなかった。

:掛布との対戦で:
76年には阪神戦で掛布と対戦した際に満塁のカウント2−3から真ん中低めに投げた際に2球ファウルされたが3球連続で低めに決まる納得のいく球となり三振を奪って微妙な感覚を掴んだ。同年には50試合に登板して、11勝11敗5セーブで防御率3.11と初の二桁勝利で長嶋巨人のV1に大きく貢献、翌77年には11勝3敗9セーブ、防御率2.32で最優秀防御率のタイトルを獲得しV2に貢献、。日本シリーズでは第5戦の先発を任されて、2回裏の打席で自ら先制の2点タイムリーを放ち、投げても4回までは1安打に抑えたが中盤に捕まって逆転を許した。

:獅子奮迅の活躍でベストナイン:
78年にはリーグ最多の63試合に登板して先発中継ぎ抑えとフル回転して15勝7敗15セーブ、防御率2.81で2年連続で最優秀防御率を獲得を受賞、同年には最多セーブにも輝いてベストナインに選出された。

:韓国に移籍:
79年にも15勝11敗5セーブを記録したが、登板過多がたたって80年のキャンプでひじ痛を発症、無理して投げ続けたため肩も痛めて18試合登板に留まった。翌年からも苦しい日々が続くと、長嶋さんから食事に誘われて「韓国に行って野球を教えてくれ」との要請を受けて84年に韓国の三星ライオンズに入団した。

:127円:
巨人を退団する際に球団から127円の振り込みがあり、問い合わせたところ「清算したあとの残金です」と言われ、お疲れさんといった言葉も貰えなかった。韓国では技巧派に転身して85年に25勝6敗を記録するなど3年間で54勝20敗という好成績を残した。「言葉はなんとなくわかるんです。幼いころ、じいちゃん、ばあちゃんが話していましたから、逆に自分の悪口まで聞こえてしまう」

:糖尿病:
86年には体重が激減して現地の週刊誌にマリファナをやっているとの記事まで乗り、登板前に倒れることもあった。6月の球宴休みを利用して日本に戻り短期入院したところ糖尿病であることが分かった。「遺伝的なものとストレスが原因だったと思います」、その後は一日二回のインスリン注射を打つ生活が始まった。

:大洋移籍:
86年のオフに大洋に移籍。新浦は「巨人には恩はあるが、韓国球界 に3年いて新浦という男がどう変わったか巨人に見せてやりたい。それが男のロマン。もう巨人は敵ですから」と語った。なお首から下げたお守りには巨人から振り込まれた127円を入れて悔しさを忘れないようにしていた。

:カムバック賞:
4月18日のヤクルト戦で8.1回を投げて8安打、無四球で2失点に抑えて1330日ぶりの日本球界での白星を記録。すると29日のヤクルト戦で4安打、2四球で完封勝利、5月10日には古巣の巨人戦で5安打、無四球で完封、
6月6日の阪神戦では自ら2点タイムリースリーベースを放つと、6月30日の阪神戦でも4安打、2四球で完封という好投を続けた。夏場には白星が伸び悩んだが8月20日中日戦で完封勝利を記録すると、続く26日の巨人戦で1失点完投で二桁勝利を達成。9月26日の広島戦でも完投勝利を記録するなど36歳にして4完封を含む7完投を記録してカムバック賞を受賞した。

:16個の内野ゴロ:
88年には開幕第2戦を任されて中日打線を8回裏まで1安打に抑え込んだが、味方の援護が得られず9回裏にゲーリーに痛恨の本塁打を打たれてサヨナラ負けとなった。その後は2回連続で初回KOと苦しんだが、5月6日の広島戦で2失点完投を記録すると、続く12日の巨人戦でも1失点完投、5月25日の巨人戦では奪三振はわずか3ながら、多彩な変化球で巨人打線を16個の内野ゴロに仕留めて4安打1四球で完封。6月4日の巨人戦で1失点完投と巨人戦で3試合連続完投勝利。6月には4勝を上げるなど最多勝争いに食い込む活躍を見せた。

:100勝:
7月5日のヤクルト戦で勝って通算99勝。7月18日の巨人戦で6安打、3四球、8奪三振で1失点完投勝利を記録して100勝を達成。新浦は「もう出来ないと思っていた100勝が巨人から出来て…」と感慨に浸った。「僕は野球をもっとやりたいんだ」と決意を新たにした新浦はこの時点で9勝5敗、7完投、防御率2.85という素晴らしい大活躍を見せていたが、37歳という年齢もあってか後半戦は大幅に数字を落として10勝11敗、防御率4.32に留まった。


:巨人戦18連敗で止める:
89年6月20日の巨人戦。チームは前日まで巨人戦18連敗という泥沼にはまっていた。この日の先発はローテ通りなら斉藤だったが、相性を買って新浦が先発のマウンドに上がった。新浦が3回まで無失点に抑えると、打線が4回表に2点を先制。その後はチャンスを作りながら拙攻を繰り返したが8回表に2点を追加するなど槙原から8回までに13安打、3四球で4点をあげる。9回表にも1点を追加して試合を決めると、9回裏に新浦が一死ニ、三塁というピンチを招いたが、岡崎を浅いセンターフライに打ち取ると、最後は駒田をセカンドゴロに仕留めて見事に5安打、10奪三振の完封で不名誉な記録をストップさせた。

:13被安打で:
89年8月4日巨人戦では6回まで12安打と毎回のようにピンチを招いたが、宮里のバックホームなどで巨人に得点を許さず、162球を投げ、13安打を打たれながら完封勝利を上げた。被安打13での完封勝利は日本記録。同年にも38歳で6完投と8勝13敗ながら175.0回を投げて防御率3.39という好成績を残した。翌90年にも42試合に登板して6勝10敗ながら140回を投げて防御率3.79と左のエースとして活躍した。

:40歳で47試合登板:
40歳になった91年には47試合に登板して防御率3.21という好成績を残したが、すべてリリーフ登板だったため先発機会を求めてダイエーに移籍。だが首脳陣ともめてシーズン途中にヤクルトへ移籍、ヤクルトでは41歳3カ月で当時の史上最年長勝利投手になったが同年限りで退団となり、獲得希望球団が現れなかったため現役を引退した。

:取材中に:
04年にはアテネオリンピックの野球日本代表の取材中に人員不足を見かねて打撃投手を買って出た。


初記録
初登板 71年4月13日中日戦
初勝利 71年4月29日阪神戦
初奪三振 71年4月13日中日戦:島谷から
初セーブ 74年7月31日ヤクルト戦
初完投 71年6月1日:中日戦:完封で
記録達成日
100勝 88年7月18日巨人戦
1000奪三振 81年4月9日大洋戦:前泊から
1500奪三振 89年8月29日中日戦:中村から
500登板 90年8月5日中日戦



69 70 71 72 73 74 75 76 77 78 79 80 81 82 83 87 88 89 90 91 92
最優秀投手 ● 1回
最優秀防御率 ● ● 2回
最多奪三振 ● 1回
最優秀救援 ● 1回
最高勝率 ● 1回
ベストナイン ● 1回
オールスター ● ● ● ● ● 5回


  投球成績
チーム 登板 完投 完封 勝利 敗戦 S 回数 安打 本塁 四球 死球 三振 暴投 ボーク 失点 自責 防御率
71 巨人 19 2 1 4 3 - 58.1 43 4 26 2 43 2 0 17 13 2.02
72 巨人 5 0 0 0 0 - 3.2 7 1 3 0 1 0 0 9 7 15.75
73 巨人 21 1 1 3 3 - 83.2 61 7 53 0 78 0 1 36 32 3.43
74 巨人 26 4 1 7 6 1 119.2 96 14 52 2 102 2 0 42 35 2.63
75 巨人 37 2 1 2 11 0 108.0 93 9 46 1 82 0 1 47 40 3.33
76 巨人 50 10 3 11 11 5 197.1 156 20 81 2 162 2 0 82 68 3.11
77 巨人 44 5 1 11 3 9 136.0 104 10 60 1 96 2 1 38 35 2.32
78 巨人 63 5 0 15 7 15 189.0 160 21 75 5 152 3 1 66 59 2.81
79 巨人 45 12 3 15 11 5 236.1 211 24 68 6 223 1 0 94 90 3.43
80 巨人 18 1 1 3 4 1 69.0 64 11 24 2 58 1 0 42 29 3.78
81 巨人 14 2 0 0 5 0 58.1 55 8 19 1 44 1 0 32 22 3.41
82 巨人 27 4 1 6 6 0 117.0 119 18 38 3 89 1 0 58 53 4.08
83 巨人 31 0 0 3 2 0 67.1 71 8 25 3 52 2 0 26 24 3.21
87 大洋 25 7 4 11 12 0 152.0 151 20 47 2 107 0 0 78 72 4.26
88 大洋 29 7 1 10 11 0 160.1 147 14 66 3 110 6 0 83 77 4.32
89 大洋 28 6 2 8 13 0 175.0 176 20 75 5 130 3 1 79 66 3.39
90 大洋 42 0 0 6 10 2 140.0 121 11 68 7 107 2 0 66 59 3.79
91 大洋 47 0 0 0 1 1 53.1 49 4 19 3 42 3 0 19 19 3.21
92 ダイエー 7 0 0 0 1 0 9.0 14 2 5 0 4 0 0 8 6 6.00
92 ヤクルト 14 0 0 1 3 0 25.1 33 6 9 1 24 1 1 22 21 7.46
球団 5年 171 20 7 35 47 3 680.2 644 69 275 20 496 14 1 325 293 3.87
通算 19年 592 68 20 116 123 39 2158.2 1931 232 859 49 1706 32 6 944 827 3.45


  打撃成績
チーム 試合 打数 得点 安打 二塁 三塁 本塁 塁打 打点 盗塁 盗刺 犠打 犠飛 四球 死球 三振 併殺 失策 打率
71 巨人 19 12 1 0 0 0 0 0 0 0 0 1 0 0 0 7 0 1 .000
72 巨人 5 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 1 .000
73 巨人 21 26 1 3 0 0 0 3 1 0 0 1 0 3 0 10 0 1 .115
74 巨人 26 37 1 8 0 0 0 8 3 0 0 2 0 3 0 17 0 1 .216
75 巨人 37 29 1 2 0 0 0 2 0 0 0 3 0 2 0 19 0 2 .069
76 巨人 50 66 2 12 1 0 0 13 1 0 0 4 0 0 0 27 0 3 .182
77 巨人 44 35 1 5 1 0 0 6 1 0 0 5 0 2 0 17 0 1 .143
78 巨人 63 51 3 7 1 0 0 8 5 0 0 10 1 7 0 17 0 2 .137
79 巨人 45 77 10 13 2 0 1 18 5 0 0 7 0 3 0 29 0 1 .169
80 巨人 18 17 2 5 0 0 0 5 0 0 0 2 0 1 0 6 0 1 .294
81 巨人 14 11 1 0 0 0 0 0 0 0 0 4 0 0 0 6 0 1 .000
82 巨人 27 31 2 5 0 0 0 5 2 0 0 5 0 1 0 13 1 0 .161
83 巨人 31 12 1 2 0 0 1 5 1 0 0 1 0 2 0 6 0 0 .167
87 大洋 35 54 3 8 1 1 0 11 4 0 0 3 0 0 0 25 0 1 .148
88 大洋 34 53 4 9 1 1 0 12 2 0 0 3 0 2 0 25 0 2 .170
89 大洋 30 59 4 8 1 0 0 9 5 0 0 4 0 1 0 19 1 3 .136
90 大洋 43 33 2 6 1 0 0 7 1 0 0 3 0 2 0 23 0 2 .182
91 大洋 48 5 0 0 0 0 0 0 0 0 0 2 0 0 0 1 0 1 .000
92 ダイエー 7 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 .000
92 ヤクルト 14 6 0 1 0 0 0 1 2 0 0 0 0 0 0 2 0 0 .167
球団 5年 190 204 13 31 4 2 0 39 12 0 0 15 0 5 0 93 1 9 .152
通算 19年 611 614 39 94 9 2 2 113 33 0 0 60 1 29 0 269 2 24 .153


  日本シリーズ投球成績
チーム 登板 完投 完封 勝利 敗戦 S 回数 安打 本塁 四球 死球 三振 暴投 ボーク 失点 自責 防御率
76 巨人 1 0 0 0 0 0 2.0 4 0 1 0 2 0 0 1 0 0.00
77 巨人 4 0 0 0 1 0 10.0 8 1 2 0 7 0 0 5 5 4.50
通算 2年 5 0 0 0 1 0 12.0 12 1 3 0 9 0 0 6 5 3.75


  日本シリーズ打撃成績
チーム 試合 打数 得点 安打 二塁 三塁 本塁 塁打 打点 盗塁 盗刺 犠打 犠飛 四球 死球 三振 併殺 失策 打率
76 巨人 1 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 1 .000
77 巨人 4 2 0 1 0 0 0 1 2 0 0 0 0 0 0 0 0 0 .500
通算 2年 5 2 0 1 0 0 0 1 2 0 0 0 0 0 0 0 0 1 .500


  オールスター投球成績
回数 登板 完投 完封 勝利 敗戦 S 回数 安打 本塁 四球 死球 三振 暴投 ボーク 失点 自責 防御率
通算 5回 5 0 0 1 1 0 9.0 15 4 4 0 9 0 0 11 9 9.00


  オールスター打撃成績
回数 試合 打数 得点 安打 二塁 三塁 本塁 塁打 打点 盗塁 盗刺 犠打 犠飛 四球 死球 三振 併殺 失策 打率
通算 5回 5 1 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 .000